世界中の教育現場の声から生まれたBenQ Board
竹山:
BenQ Boardは非常に多機能で、“できないことがない”ように感じます。その背景にはどのような開発思想があるのでしょうか?

株式会社 idea spot 代表取締役 竹山 隼矢(Junya Takeyama)
近藤様(以下、敬称略):
ありがとうございます。BenQは台湾を拠点に、アメリカ・ヨーロッパ・アジアなど世界各地の先生の声を集めて開発しています。国や地域によって授業スタイルは異なりますが、どの先生も自分の教え方に強いこだわりを持っています。だからこそBenQ Boardは「どんな授業にもなじむ」ように設計されているのです。

ベンキュージャパン株式会社 近藤 貴彦(Takahiko Kondou)
竹山:
なるほど。だから“抜け”がないのですね。海外の先生は、実際どのように電子黒板を使っているのでしょう?
近藤:
海外では、自分の授業を自由にカスタマイズする先生が多いです。「こう教えたいからこのアプリを使おう」と、ツールを自由に組み合わせて独自の授業を作っています。
竹山:
日本のように決まった進め方に縛られず、柔軟な発想で授業を構築しているわけですね。
近藤:
その通りです。BenQでは「Teach Your Way ~教え方は、もっと自由に~」というモットーを大切にしています。
竹山:
良い言葉ですね。BenQ Boardは、先生が自分の授業スタイルを形にできるツールということですね。
近藤:
はい。見る・聞く・書く・つながる——これらの機能を自由に組み合わせることで、先生一人ひとりに合った授業をデザインできます。
竹山:
でも、多機能だと「全部覚えなければ」と不安を感じる先生はいませんか?
近藤:
すべての機能を使いこなす必要はないと思いますし、ホワイトボードや紙と併用して効果的に活用するという考え方でも良いと考えております。BenQ Boardは一部の機能だけでも十分な効果を発揮できます。たとえば、動画や音声を少し取り入れるだけで、授業の雰囲気や子供たちの理解度は大きく変わります。電子黒板を活用して、自分なりの授業の形を見つけていく先生が多いですね。
世界の電子黒板事情はどうなっている?
竹山:
BenQさんはグローバルで展開されていますが、海外の電子黒板事情を教えて下さい。
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近藤:
アメリカが最も進んでおり、教育機関のおおよそ9割が電子黒板の導入を終えています。現在は中東やインドなどが積極的に導入を推進しており、アジア全体が追随しています。日本はこれから本格的に成長する段階です。
竹山:
後発であることは、他国の成功や失敗を学べるという利点にもなりますね。
近藤:
まさにその通りです。遅れていることは悪いことではなく、世界の事例を参考に日本に最適なICT教育を設計できる好機です。
竹山:
私たちidea spotも、2020年のコロナ禍をきっかけに全教室へ電子黒板を導入しました。リモートやハイブリッド授業を通して、導入から活用まで多くの知見を蓄積してきました。
近藤:
非常に早い取り組みですね。現場の課題を理解した上で改善を進めてこられたのは大きな強みです。
竹山:
実際、「導入したけれど使いこなせない」という声も多くあります。私たちは販売だけでなく、“どう授業に組み込むか”まで一緒に考えることを大切にしています。
近藤:
それこそがKokuban BASEの価値ですね。比較体験だけでなく、導入から活用まで一貫してサポートできるのは非常に我々メーカーとしても有難いです。
竹山:
そういっていただき、光栄です。
BenQ Boardの導入事例
竹山:
日本ではどのような教育機関での導入が進んでいるのでしょうか?
近藤:
実はBenQ Boardですが、国内のインターナショナルスクールでトップシェアを誇ります。導入した先生方が他校に紹介してくださることで、口コミで広がっています。

竹山:
それは信頼の証ですね。他の事例も教えてください。
近藤:
最近では幼稚園や保育園、こども園などの幼児教育の分野でも導入が進んでいます。たとえば園児が散歩で見つけた花を調べたり、音楽の授業で楽器の音を比較したりと、探究活動にBenQ Boardが自然に組み込まれています。
竹山:
日常の「なぜ?」が学びにつながるのは魅力的ですね。
近藤:
はい。今まではタブレットの小さな画面を回して見ていたようですが、大画面で表示することで子どもたちが顔を上げ、集中力が高まるという報告もあります。授業に一体感が生まれるのです。
竹山:
幼児期では、関心を引く工夫が重要です。電子黒板がその助けになるのは素晴らしいことです。
近藤:
そうですね。タイマー機能や抽選機能も先生にとても人気で、先生が自由に組み合わせながら教えるスタイルを実現しています。
竹山:
実は我が家でも電子黒板を使っています。娘がお絵描きをして、描いた作品を保存して楽しんでいます(笑)。
近藤:
それは素敵ですね。自分の作品を大画面に映して発表することで、自己表現力が育ちます。
竹山:
大学での活用事例もありますか?
近藤:

※BenQ Japanサイトより転載
はい。ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)では、ディスカッション内容をページ追加しながら保存し、QRコードで学生と板書内容を共有しています。ノートを取る時間を減らし、議論に集中できる環境を整えています。
竹山:
確かに、板書に時間を取られて内容は頭に入らないことはよくあります。電子黒板はそれを解消してくれますね。
近藤:
その通りです。電子黒板は“時間を生むツール”でもあります。
BenQ board×AI 最先端の活用術
竹山:
最近注目されているAI連携「Gemini」について教えてください。

BenQ Japan高見様(以下、敬称略)によるAIの使い方解説
高見:
BenQ Boardの大きな特徴です。設定によりホームボタンを長押しするだけでGoogleのAI『Gemini』が起動し、音声入力にも対応します。キーボードを使わずに瞬時にAIを呼び出せます。
竹山:
本当にわずか数秒でAIに質問ができますね。
高見:
そうです。先生が「一緒に調べてみよう」と思った瞬間に使えます。授業のテンポを保ちながら疑問を即座に解決できます。
竹山:
私たちの塾の授業でもAIを導入しています。生徒が「オオサンショウウオの卵を見つけた」と話題にしたとき、AIを開き、「オオサンショウウオの卵はどんな形?」とBenQ Boardに話しかけると、すぐ画像が出てきて便利でした。
高見:
子どもたちの興味に即応できるのは素晴らしいですね。AIは先生の“アシスタント”のような存在です。
竹山:
AIは先生の代わりではなく、学びを広げるパートナーです。使わない手はないです。
高見:
ええ。AIと人が協働して授業を創る時代は、すでに始まっています。
使いやすさを徹底追及した、BenQ board
竹山:
話は逸れますが、BenQの開発では、先生の身体的な負担軽減にも配慮しているそうですね。
近藤:
はい。BenQは国内外有数のディスプレイメーカーとしての知見を活かし、教育向けに開発・設計を行っています。黒板から電子黒板へ移行する際、長時間・近距離で画面を見ることによる目の疲労が課題でした。
竹山:
確かに、いわれてみれば意識しない疲労があるかもしれません。
近藤:
BenQ Boardはブルーライトを極力カットし、自然な見やすさを実現しています。この性能は韓国でも高く評価され、「ブルーライトカットがあるから導入した」という声も多いです。どの国でも“使う人への優しさ”が共感を呼んでいます。
竹山:
毎日使うものだからこそ、重要な視点ですね。
近藤:
さらに、ペンやリモコンなど付属品も抗菌仕様になっています。多くの子どもが利用する教育現場において、細かいところですが安全性の高い設計は欠かせません。
竹山:
確かに、衛生面での安心感は非常に大切です。
対談を終えて

左から株式会社 idea spot遠藤、竹山、株式会社 BenQ Japan 近藤様、高見様
竹山:
BenQ Boardが現場の先生の声を丁寧に反映して開発されていることを実感しました。Kokuban BASEにBenQが参画してくださり心強いです。多くの教育関係者に体験してほしいですね。
近藤:
こちらこそありがとうございました。Kokuban BASEのような実践的な場と連携しながら、今後も先生や生徒の声を製品に反映していきたいと考えております。BenQ Boardは完成形ではなく、常に進化を続けるプラットフォームです。教育の質を高める一助となれるよう尽力していきます。